「Oh,Great! Congratulations!!」-マレーシア一人旅- 2月28日
‥井上浩平
■記録
2月28日、マレーシア・ボルネオ島のキナバル山の頂。世界各国から集まった山好きの多くの若者は一斉に手を取り合った。やはり頂に立てたこの瞬間、どこの国のどんな山であろうとも”自分に勝てた(大げさかな!?)喜び”で最高にうれしかった。
今春、私は東南アジアへ一人旅に出かけた。日数はわずか2週間ほどだが、初めての海外であった。殻にはまったちっぽけな自分にオサラバしたかったのがひとつの動機。旅では毎日ドミトリー式の安宿に泊まった。同世代の男女がそれもスウェーデン、フィンランド、イングランド、デンマーク、台湾、中国、オーストラリア、・・・・。まさに世界各国から若者が集い、毎晩、映画を見ながらいろんな思想をぶつけ合った。私自身もいざとなれば拙い英語であれ本音で精一杯のキャッチボールをした。しかしながら、こんな疲れるキャッチボールは初めてだったかもしれない。(笑)
イリーガルのフィリピン人やイスラム教ムスリム人地区などへも訪ねてみた。いろんな価値観・宗教観の違いはあれ、やはり同じ人間なんだと改めて気づかされた。フィリピンマーケットで裸足の子供たちが、日本人の私にどっと走りよって来た時はなんだか涙があふれそうになった。まさに貧しい中の精神的豊かさとでもいおうか? 彼らの目はほんとうに輝いていた。あの衝撃は忘れられない。
こんな旅ではあったが、何といってもメインは”キナバル登山”だ。確かにハイキング感覚で登れる山ということもあり、みんな軽装だった。私ひとりがある意味おかしなくらい荷物を担いでいた。それを見たイギリス人たちに何度もからかわれた。悲しいことにギャグのオチがわからないのだ! でも笑っておいた。いくら熱帯とはいえ、3000m過ぎるとかなり冷えこむ。ここは山岳部員として当然の装備だったはずなのだが・・・!?
キナバルは昨年世界遺産に指定されたこともあり、ジャングルの中にもかかわらず登山道はそこそこ整備されていた。一本取ってたら、突然”リス”に歓迎されたり大型のウツボカズラが群れをなしていたり・・・。何もかもが新鮮だった。標高4095m。とりあえず東南アジア最高峰である。若干の高山病により、どでかいザックから取り出した頭痛薬にもお世話になった。何はともあれ異国の地で、しかもかつて経験のない標高から見た日の出には感動した。熱帯特有のスコールにもあうこともなく、無事満足いく登山となった。感謝。
このように今春、私の中に画期的な1ページを刻むことができた。山岳部に入ったおかげで、振り返るとこれまでにも様々な経験をさせていただいていることに気づく。私もはや大学三年になった。今まで中尾さんに甘えすぎてたこともあり、上級生としては物足りない現状かもしれない。しかし今回トレッキング程度であれ非常にいい経験が出来た気がする。たかが初めの第一歩に過ぎないがこの経験を生かせるよう精進し、より一層残りの学生生活を充実させていきたい。
そしてぜひ学生中に今度は米澤と海外の山を歩きにいきたい!