戸隠西岳P1尾根登攀 2月21日~23日

戸隠西岳P1尾根登攀 2月21日~23日
‥中尾秀高、米澤清文、西澤直志(OB、龍鳳登高会)
今回は、西澤さんとどこか雪深い所へ行こうということで、戸隠に向かうことになった。入山する前は中尾がオールリードという話になっていたが、終わってみれば核心部の殆どは西澤さんにリードしてもらってしまった。自分がすべてリードしていたら、時間もかかっただろうし、かなり困難だった。もっと実力をつけなければと感じる山行だった。。

■記録

■2月21日
この日、米澤は実家に帰っており、出発は西澤さんと二人である。関越道、上信越道と快調に走って長野駅で米澤を拾って戸隠へ。上楠川の橋の袂に車を止め、テントを張った。
■2月22日
楠川沿いの林道をツボ足膝下のラッセルでスタートし、途中ワカンを着けて3時間半ほどで天狗原に着く。楠川を飛び石伝いに徒渉し、樹林帯をしばらくラッセルして尾根に上がると雑木林を切り開いた広い台地に出る。静かで、眺めも良く、気持ちの良い所だ。雑木林に入りしばらくすると尾根らしくなり、急登になるが、米澤は久しぶりのラッセルにバテ気味だ。熊の遊び場の1ピッチは中尾リード、核心部に入って、2ピッチのルンゼは西澤さんリード、さらに急登を過ぎると無念の峰直下へ出た。今日はここで幕営とし、米澤に整地を任せて、西澤さんと偵察に行き、切れ落ちたコルに降りるところにロープで確保して足場を切っておく。偵察から帰ってみると米澤の整地が素晴らしい。

■2月23日(曇りのち晴れ)
アタックだが、米澤がキジすると言って遅くなり、思わず「さっさとしろよ」と言ってしまう。前日偵察したコルに降りるところからアンザイレン、スタカットで進み、間もなく蟻の門渡りである。しかし、後の西澤さんが「ヨネがキジしてるから待て」の声が。キジなんかできる所だっけ?
さて、蟻の門渡りは中尾がリードするが、どこが尾根の上で、どこから雪庇だかまったく分からん。続く雪壁10mと最終雪壁40mの1ピッチ目は西澤さんリード、2ピッチ目中尾リード、その後はしばらくラッセルすると頂稜の雪庇下に出て、ここは西澤さんリード。P1にとび出た。
下りは、視界が効き始め若干高度感も出てくるが、眺めが良い。黒い岩壁が頂稜から切れ落ち、白いルンゼが穿たれ、取り付けそうにない氷柱が垂れ下がる・・・・・・こんなに日本離れした景色は初めてだ(海外行ったことないけど)。蟻の門渡りへはスノーボラードでの懸垂下降を初体験。しかし、核心は「ヨネのキジが隠されている」無念の峰へ続くナイフリッジの通過で、避けられるわけが無く、引きずるロープが接触しそうだ。朝、さっさとしろなどと言わなければ良かったと反省。
テントを撤収して一息入れてから、がんがん降りる。熊の遊び場まで懸垂下降4ピッチ、その後も2、3ヶ所懸垂下降しつつ下っていく。今日中に下山することにし、楠川を徒渉した頃に日が暮れる。林道歩きこんなに長かったっけ? 19時過ぎ下山。
(文責:中尾)

 

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