ネパール ヒマラヤ プンギ(6524m) 登山計画書 2 0 2 4
NEPAL Himalaya Phungi(6524m) Exp 2 0 2 4
主催 公益社団法人日本山岳会学生部 後援 公益社団法人日本山岳会/青山学院大学体育 会山岳部/中央大学山岳部/東京大学運動会 スキー山岳部/立教大学体育会山岳部
■Phungiについて 名前 :プンギ Phungi
山域 :アンナプルナ山域/ペリヒマール山群 標高 :6524m
緯度経度 :28° 49’48 84° 24’10
プンギ(Phungi)。ネパールのアンナプルナ山域、ペリヒマール山群に属する6524mの未踏 峰。大まかに南尾根、北西尾根、北東尾根、東尾根の4つの尾根から構成され、北西から北 東には氷河が広がる。 2022年秋に日本山岳会ヒマラヤ キャンプ登山隊2022によりプンギ南峰からの南西尾根で初めてトライされるが、未だその頂 に立った者はいない。
日本山岳会学生部
ネパール ヒマラヤ NEPAL Himalaya プンギ登山隊 2024 Phungi EXP 2024
■遠征名称(プロジェクト名)
プンギ遠征2024 英語) Phungi Expedition 2024
■隊の名称 日本山岳会学生部プンギ遠征隊
■派遣母体 公益社団法人日本山岳会/青山学院大学体育会山岳部/中央大学山岳部/東京大学 運動会スキー山岳部/立教大学体育会山岳部
■目標
プンギ Phungi (6524m)初登頂
■目的
我々遠征隊は以下2つのことを目的に掲げる。
1本来の登山の形の体現 近年様々な技術が発展したことで、登山はみじかなアクティビティに変容してきた。行った 事のない山/ルートでも写真付きの詳細な情報を得ることができ、GPSは自分の居場所を正 確に確実に教えてくれる。それは我々の活動をより安全にし、自然という不確定な環境下で の確定要素を増やした。 しかし登山のもつ本来の側面には、未知なる山・場所・ルートを既知なるものへと変える探 検的精神を含んだ営みも存在しているのではないだろうか。探検的精神を含んだ登山に は、人類社会の境界を先へと推し進め、またその行為を通して人間の可能性を広げるという 意味で意義があり、いつの時代にも必要な営みだと考える。 我々は未踏峰を登ることで、この便利な現代に於いて、本来の登山の形を体現したいと強 く思う。
2大学山岳部の存在とその活動を広めたい 数十年前に存在した大学山岳部全盛期の時代は過去のこととなり、大学山岳部はその存 在や活動を世間に知られていないという現状がある。年々部員数は減少し、廃部となる大 学も存在する。 今回の遠征には4つの大学山岳部からメンバーが集まっている。この遠征を通して、大学 山岳部の活動や文化、この時代にも山に青春を捧げる若者がいることを世間に発信してい きたい。まず人々に知ってもらうことは、大学山岳部を盛り上げていく第一歩であると考え る。またこの遠征を見た次の世代が仲間として入部したり、後輩達を応援する人が増えた ら、もう一つの大きな意義となりえるのではないかと考える。
■隊の特徴/強み 我々がそれぞれ所属する大学山岳部は、これまでの活動でもあくまでその山を未踏に見 立てて登るという行為をしてきた。合宿の立案から始まり、偵察、そのルートの必要技術要 素の抽出、技術の習得、そして必要十分以上の荷物を持った実践とその後の反省。これら のサイクルは、便利な技術があれば殆どが省けるだろう。しかし、その山が未踏なのだとした ら必要なサイクルであった。この4年間を通し、我々が培ってきた技術と経験。そして体力と 精神力を活かしてプンギに挑戦したい。また、学生であることから遠征期間を長く取る事が 可能である。高所順応に多く時間をさき、アタック機会を3回は確保している。
■遠征期間
2024年9月11日〜11月10日(60日間) ポストモンスーン
■行程
0日目 成田発(9月11日) 1日目 カトマンズ到着
2〜4日目 手続き・準備
【キャラバン】
5日目 カトマンズ出発→ベシサハール 823m(車移動) 6日目 ベシハサール→コト 2610m(車移動) 7日目 コト→メタ 3560mキャラバン 8日目 メタ→キャン 3800m 9日目 キャン→プーガオン 4100m(最終の村) 10日目 順応日
11日目 プーガオン→BC 4700m 設置→プーガオン 【登山期間】 12~51日目 計40日間 (9月23日~11月1日) 【バックキャラバン】
52日目 ラトナチュリ BC→プーガオン
53日目 プーガオン→メタ
54日目 メタ→コト
55日目 コト→ベシサハール
56日目 ベシサハール→カトマンズ 57~59日目 片付け・手続き・出国準備 60日目 カドマンズ→成田 遠征期間終了
日本帰国 【遠征合計日数68日間】
■タクティクス
大まかに4つの尾根が存在 1.南峰西尾根(赤, 累積標高差1400m)
ルートとしては最も分かりやすい。
- ● 取り付きから山頂まで1400mの標高差がある。(稜線上での1ビバークは最低でも必要に なる。)
- ● 特に下部では、リッジ上に雪がついていない可能性がある。
- ● 稜線上に雪庇が発達している可能性がある。 2. 北西尾根(青,累積標高差 400m) 氷河を詰め、アイスフォール帯を通過する。その後北西尾根へ乗る。 ● ルート的には最短距離。 ● アイスフォール帯が通過可能かどうかは不明。 3. 北東尾根(ピンク, 累積標高差300m) 氷河を歩き、北東尾根に乗る。
● 北東尾根はなだらかかつ短い。 ○ 氷河歩きがほとんど。登っても楽しくないかもしれない。 4. 東尾根(緑, 累積標高差300m) ● 尾根の取り付きまでのアイスフォール帯が難しそう。 まず北峰を通る事となる北西尾根と東尾根であるが、北峰は北東側の斜面が切れ落ちておりか なり悪いと言う情報がある為好ましくない。ヒマラヤキャンプより北峰と山頂のコルにそのまま突
き上げるルートがいけそうと言う情報もあるが、1dayでサミットプッシュする必要性があることと、 プンギ西面側に存在するセラックが崩壊すると巻き込まれる可能性があるため、あくまで第2プラ ンとなる。
1番可能性高いのが、南峰西尾根ルートである。 本ルートは、西尾根末端5000m地点にC2を張り、尾根上5500mのコルにABC。6000mの南峰〜 山頂の尾根か南峰直下にHCを作って山頂へアタックする行程となる。 写真ではまず南峰に上がる際に急斜面が確認でき、南峰〜山頂区間の稜線と山頂直下も急斜 面になっている。南峰〜山頂はまだ誰も見た事がないが、北峰が切れ落ちている事からナイフ リッジとなっている可能性は高いと思われる。
■予算(見積り) 2024/4/18 更新 (為替による変動あり) 総予算 約495~521万円 (1$ 145円~155円計算) ※1人当たり 約99~104万円
トレッキング会社費用290~310万円 【全行程に置ける交通費、登山料、特定地域入域許可取得手続き料、ガイド・スタッフの費 用(給料、保険、ヘリ保険、装備)、ベースキャンプ装備、リエゾンオフィサー費用、ポーター 給料、手数料】
生活費 15~16万円 【現地宿泊費(ロッジ・ホテル)、現地食費、燃料、SIM、輸送費】
国内経費 180万円 【航空券、山岳保険、ネパールビザ代、通信費、ワクチン、装備、医療品】
その他 10~15万円 【チップ、雑費】
■現地エージェント
Janak Chuli Treks Pvt Ltd.
代表:Ram Tamang 住所:Budhanilakantha-12Kapan, Kathmandu, Nepal Tel : +977-1-4820391
Mobile: 977-9841696676
Email: janakchulitreks@gmail.com
■連絡先
井之上巧磨
■隊員名簿
名前:井之上 巧磨 (いのうえ たくま)
役職: 総隊長、食料サブ
所属:青山学院大学体育会山岳部(部内学年4年 主将) 実績:上高地-親不知(無雪)、屏風岩雲稜ルート(無雪)、錫杖岳 注文/見張り棟(無雪)、 マイモーズの悪場、モチコシ沢、中崎尾根末端-槍ヶ岳(12月)、阿弥陀北西稜
名前:尾高 涼哉 (おだか りょうや)
役職:登攀隊長、装備サブ
所属:東京大学運動会スキー山岳部(部内学年4年 主将) 実績:屏風岩雲稜ルート(無雪)、錫杖岳 注文/見張り塔(無雪)、河又 小作人5.11cRP、 南ア主稜線縦走(2月-3月)、南岳西尾根(12月)、錫杖岳3ルンゼ(1月)
名前:横道 文哉 (よこみち ふみや)
役職:渉外(輸送)、会計(海外)、記録(メイン) 所属:立教大学体育会山岳部(部内学年4年 副将) 実績:槍ヶ岳西稜(無雪)、屏風岩雲稜ルート(無雪)、槍ヶ岳中崎尾根(12月)、 Ramadung Peak(5925m) 5555m敗退、裏同心ルンゼ(1月)
名前:中沢 将大 (なかざわ まさひろ)
役職: 装備全般
所属:立教大学体育会山岳部(部内学年4年 主将)
実績:剱岳 源次郎/八ツ峰上半(無雪)、北ア縦走 剱岳-親不知/剱岳-蝶ヶ岳(無雪)、 錫杖岳 注文の多い料理店(無雪)、剱岳 早月尾根(12月、2月)、旭岳東稜(2月)
名前:芦沢 太陽 (あしざわ たいよう)
役職:会計(保険、国内)
所属:中央大学山岳部(部内学年3年 主将)
実績:前穂北尾根(11月)、常念山脈 蝶ヶ岳-燕岳(3月)、爺ヶ岳南尾根-鹿島槍ヶ岳(3月) 裏同心ルンゼ(1月)、南沢小滝(1月)、早月尾根ACまで(2月)