Peru ワスカラン1998年8月28日-9月2日

Peru ワスカラン1998年8月28日-9月2日
メンバー:村上、金子

ワスカラン
監督には、「トレッキングにイッテキマース」なんていいながらしっかりと入山してまいりました。ワスカランは南米の最高峰で標高6768m。核心は、A.Cからとなるが、それほどハイレベルな登攀要素を必要としないと記録にあったのでチャレンジ。でもそんな甘いきもちじゃぁどんな山でも頂きは踏めません。。

■記録

■8月28日 6:00 起床 7:00 ワラス発 10:15 ムショ 14:00 B.C
バスを降りると、すぐに入山登録所?のようなものがあり名前をかいてくる。ここで、アリエロを雇いたい旨をつたえブーロ1匹とアリエロ1人でB.Cまで先導してもらう。 ムショ->B.Cはアリエロに先導してもらい上がっていく。所要時間は約4時間。B.Cまでの道は夏道だが途中何度かの分岐がありだらだらとした稜線や谷間を歩いていく。そんなに急登ではないがすでに標高が富士山ほどの高さになってきているため息がきれてくる。途中水の取れるところは、B.C手前100mのところのみなため、入山時にある程度の水を持っていく必要があるだろう。だが、B.Cまであがってから水をとらないと、流れる途中でブーロの糞に犯された水を飲むことになり、必ず翌日下痢になる。(なった。) テントのなかでくつろいでいると、スペイン人の2人組が入山していた。 ベースキャンプはしっかりとしたテン場があり、幕営には困らない。

■8月29日 6:00 起床 8:30 出発 12:00 C.M

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B.C->C.Mのコースタイムは2時間となっていたが、高度への順化不足により3時間以上費やしてしまう。ルート自体は、ところどころ置石があり迷うことはない。露岩帯を右へ右へ石灰岩のカールをトラバースしていく。ここまでくると、上にある氷河が溶けた水がながれていて水には不自由しない。日中は非常に暖かく、Tシャツ一枚で十分。C.Mにつくと荷物が重さがこたえてきたので、念のために持ってきたスペイン語辞書やフリースをデポることにする。

■8月30日 5:00 起床 停滞。

軽い高度障害と体調不良のため停滞とする。2人して頭痛がとまらず動くのが億劫だ。一日中テントにいるのも退屈なので、C1までのルートを確認しながら周りを散策する。 C.M自体が4400mあるため普通に歩いているだけでも十分につかれてくる。このあたりから明確に空気が薄くなってくるのを自覚し始めた。 上を見上げると、ワスカランのピークがきれいにみえ、いやがおうにもモチベーションが高まる。

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■8月31日 6:00 起床 8:00 出発 11:00 氷河入り口 17:00 C1

C.MからC1への所要時間は4時間がコースタイムだが、我々は9時間もかかってしまった。まだまったく高度順化できていないからだと、必要以上にもってきてしまった食料の重さに体が悲鳴をあげる。通常の夏合宿の荷物よりもかなり軽い重量にもかかわらず、ドシンと体にその重さを感じる。あぁ、これが高いってことなんだなぁ。と標高を楽しむ余裕もなくただひたすら登っていく。

氷河の末端に到着すると、前のパーティが氷河にちょうど取り付いていた。そのガイドは日系人らしく、「おにぎり」や「ありがとう」などわけのわからない日本語でしゃべりかけてきたが、不思議となんとかコミュニケーションはとれる。

末端の壁は5mほどのアイスではあるが弱点をうまく使いながらピッケルとアイゼンの歯を慎重に氷に突き刺して登っていく。氷河の上にくるととたんに体感温度が下がり、フリースを着込む。ついでに、照り返しも一気につよくなったのでサングラスを装着。これから先は、クレバスが所々顔を見せ始めるためコンテで慎重に進む。たった一個の氷壁を越えただけで気分は一気に冬山。やっと海外遠征っぽくなってきた。これからが本番だ。 でも、体はいうことを聞いてくれない。なれないコンテと5000mを越える標高で、前のパーティとの差がどんどん開く。あっという間に姿が見えなくなった。氷河はさすがにしっかりと安定してアイゼンが気持ちよくきまっていく。

17:00になりやっとC1らしきところに到着する。C1といっても平らなところはなく、「さあこれからが核心だぞ!」というポイントで氷を削って整地する。あまり右により過ぎるとクレバスが多そうなので、真中あたりで幕営。ここからの眺めは最高!気持ちよく景色をながめていたかったが、昨日から続く頭痛のためすぐにダウンする。眠りが浅くなった瞬間、爆発的な頭痛が押し寄せうめき声を上げる。2人して自分の声でさらに痛さを倍増させるという悪循環を繰り返しながらバッファリンで一時的に痛みを飛ばし、ひたすら朝をまつ。 朝が近づくと何もいわずに二人して下山の準備に取り掛かる。昨夜の状態ではいたしかたがなく迷うこともなかった。

C1にいる別パーティの話によると、C1を出て1.5時間ほどいくと5,60度 20mの壁がある。この壁はそんなに難度は高くないがその次の斜度90度 10mの壁は充実したアイスクライミングが楽しめるだろうとのこと。この壁を越えたあとはひたすらトラバースしてC2に向かう。所要時間は6時間くらい。

■9月1日 8:00 起床 12:00 出発 15:00 C.M

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高度にもすこしなれてきたのか、朝飯をたべたころから頭痛が和らぐが下山の気持ちはかわらない。ゆっくりと最後のワスカランを眺めながらC.Mに向かう。クレバスに落ちることもバランスを崩すこともなく順調に高度をさげ氷河末端ではクライムダウンで下る。 高度を1000m下げたことにより体調はかなりよくなり今日はここで幕営する。

■9月2日 7:00 起床 8:45 C.M出発 13:00 ムショ 15:30

ワラスのホテル C.Mから一気にムショまで下る。ここの下りでは空気の濃さを実感でき、休むことなく楽に歩きつづけられた。空気ってこんなにおいしいんだぁ。 ムショにつくと、入山時に記入した入山登録?に下山のチェックを入れる。 ムショ->マンコスのバスは3~40分ごとにでているらしくすぐにバスにのることができた。バスのなかでは、EaglesのHotelCalifolniaが流れていたが辺りの景色と空気にものすごくフィットしていた。

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