Day1 上高地ー槍ヶ岳山荘
Day2 槍ヶ岳山荘ー三俣山荘
Day3 三俣山荘ー烏帽子小屋
Day4 烏帽子小屋ー高瀬ダムー烏帽子ー船窪キャンプ場
Day5 船窪キャンプ場ー針ノ木
Day6 針ノ木ー種池山荘
Day7 種池山荘ー五竜山荘
Day8 五竜山荘ー天狗山荘
Day9 天狗山荘ー朝日小屋
Day10 朝日小屋ー白鳥山の避難小屋
Day 11 白鳥山の避難小屋ー親不知ー帰京
あまりにも文章量が多く成りすぎるので、最終日のみをブログに掲載。
なんだか名残り惜しい私と今すぐにでも下りたい松浦が出発の支度をする。親不知では監督やOBの方々が待ってくださっている様なので、腹をすかせるために朝食は取らなかった。
昨日通った林道を無心で下る。シキワリの水場をすぎ、暫く歩くと車道に出た。久しぶりのアスファルトに下界を感じる。また車道挟んで向かい側の山道に入り、ひたすら足を動かす。途中からまどろっこしいくなった私は山道を駆け降りていた。
しかし後ろをみると松浦がおらず、どうやら巻き爪が酷く走れない事が分かった。ならしょうがないと速度を落としてペースを合わしてゆっくり歩く。GPSで確認するとゴールはすぐそこだ。どんどん平地が近づいてきている。鉄塔を通り過ぎ、斜面を下っていると車道を車が行き交う音が聞こえてきた。
いよいよゴールが近い!「最後だ!がんば!!」2人で声を掛け合いながら足を動かし、遂に栂海新道登山口に到着。あと少し、俺達のゴールは登山口ではなく日本海である。
車道を渡って親不知観光ホテルの方へ向かうと駐車場に監督とOBの皆さん(土田さん、松原さん、ナベアツさん、後から角田さん家族)がいた。見知った顔を見て今まで張り詰めていた気持ちが緩んだのが分かった。監督のジムニーの前にザックを置いて、全員で日本海へ向け最後の階段を下りていく。
一段下りるたびに11日間の記憶が走馬灯のように頭を巡る。
思えば本当に色々な事があった。いよいよこの旅に終止符を打つ時が来たのだ。階段をおりきると目の前には穏やかな日本海が広がっていた。松浦と走って海に飛び込む。俺達の合宿終了だーー!海は程よい冷たさで、舐めるとやっぱりしょっぱかった。「もう歩かなくていいんだ」そう思った瞬間今まで感じていなかった疲れが一気に押し寄せどっと疲れた。
海辺で座り込んで海を眺めていると、ナベアツさんが缶コーラを持って来てくれた。山でずっと飲みたかったけど我慢していたものだ。プルタブを勢いよく開け、焼けるように熱く渇いている喉に流し込んだ。コーラ独特の甘味が口に広がり、喉を潤す。美味い。多分一生このコーラの味は忘れないだろう。
親不知観光ホテルの風呂に入り、11日分の汗を流して、今度は食事に親不知ピアパークへ向かう。どうやら早く下山しすぎたようで、まだ開店していなかった為、駐車場で待つ事になった。すると土田OBが車から巨大な大玉スイカを持ってきてくれた。駐車場の片隅でそれを割って、皆んなで食べる。みずみずしく、シャキシャキしててとても甘い。今まで食べたスイカで1番美味かった。多分このスイカの味も一生忘れないんだと思う。店が空いたので皆で入り、海鮮丼やカニの唐揚げなど思い思いの物を頼んだ。美味かった。
食事ってカロリー摂取のためにするもんじゃなかったことをこの時思い出す。思えばこの11日間、白米と棒ラーメン、パスタ、レトルト、フリーズドライしか食べてない。最後なんて感覚がおかしくなり、塩胡椒をお湯で溶いてコンソメスープ代わりに飲んでいた。そんな僕らには、ここでの食事は贅沢過ぎて、逆に体を壊しそうだなと思ったのを覚えている。
その後は皆んなでビーチに向かい、角田OBと私と監督は海で泳いだ。程よい波と日本海のベタつかない海水が気持ち良い。皆んなで記念写真を撮り、監督の車で帰路に着いた。