個人山行:黄蓮谷右俣

場所:南アルプス 黄蓮谷右俣
日時:2017年12月15日〜16日
メンバー:3年田口、監督村上

・アプローチ
来年のヒマラヤ遠征に向けたトレーニングとして、実際のルートと類似したところを検討したところ、標高差・距離・ルートに必要な技術が近しいという理由から冬期の黄蓮谷右俣を選んだ。

目標は、48時間以内に下山することとした。

金曜の夜、23時に都内に集合し車で竹宇駒ケ岳神社まで移動。2時過ぎに現地に到着したので、1時間ほど仮眠を取ってから出発することとする。
3:30出発。
黒戸尾根は日本三大急登の一つであり、非常に長く急な尾根。5合目小屋跡地までは5時間ほどの道のりだが、強烈な眠気に負けて3時間ほど仮眠することとした。


13:305合目小屋跡地に到着。
遅めの朝昼ごはんとする。ここからはハーネス/アイゼンをつけて登攀モードに切り替えた。黄蓮谷右俣の取り付きまでは、尾根沿いを赤布にそっていけば良いと過去の記録にあったが、中々見当たらない。地形図を見る限り、沢沿いを降りれば間違いないだろうと考えられたので、途中から沢に降りながら進む。そうなるともちろん足元は凍ったルートになる。3箇所ほどロープを出して懸垂下降で慎重に下りていく。

・登攀


黄蓮谷に到着したのは15:50。最初の滝は氷結していないので左側から高巻いて越えた。30分も歩かないうちに坊主の滝に到着したが、もう日が傾き始めている。これを越えたら幕営してしまおう!と決め、さっさとのぼりにかかるが、田口がフォロー中に真っ暗になってしまい、暗闇のなかでのアイスクライミングとなってしまった。。上の写真は坊主の滝。


幕営場所は暗くて見つけにくかったが、暗い中、適当に目処を立てた場所が幕営適地!普段は楽しい夜の食事も今回は切り詰めているためろくなものが無い・・・。各自持参したおにぎりを味噌汁につけて簡易雑炊だけでご馳走様となる。
翌日朝3時に起きると、、雪が振っていて10cmくらい積もっている。6時頃に止む予報だったので、一旦ステイ。そして1時間寝過ごす。


全く氷の回廊には出会えず。ほぼラッセル。たまに踏み抜いて沢の水に足を突っ込む。靴の中はビチョビチョ。アイゼンに雪がまとわりつき凍って重い。もうラッセルは懲り懲りだぜ!と2人で話しているとなんと救世主が下から上がってくるのが見える。都岳連の二人組で、七丈小屋から今日入ってきたとのこと。


頂上稜線についたのは18時。この時点で行動時間は12時間。まだまだ元気は残っているが、黒戸尾根の下降は6時間程度かかる・・・。

・稜線からの下降
稜線にでて間もなく、立派なトレースを発見してホッとした。もう辺りは真っ暗になっているため、コンパスと近くの地形からしか現在地を割り出せないから。
まずは七丈小屋を目指して進むが、鎖場やハシゴで結構気を使いながら降りる。普段ならなんとも無く感じられるのだろうが、真っ暗なことと疲労困憊した身体には中々応える。
小屋について残っている水をすべて飲みきってしまう。もう何も口にするものはこれで無くなった・・・。のこり5時間程度の駐車場までの道のりは気合で乗り切るしかない。もうやるっきゃないよね。ということで歩いていたが、こんどは眠気に襲われる。。。
仕方ないので、10分程度ルート上にそのまま寝そべって仮眠。

・帰路
竹宇駒ケ岳神社に下山報告のお参りをし、手水舎の水をひとすくいだけ飲ませて頂く。これだけで大分からだが回復したのが分かる。
3:00 無事駐車場に到着。すぐに自動販売機に行って飲み物を買い一気飲み。
下山最中に、下りたら境川SAのダブルカツカレー食べようぜ!とか話をしていたのだが、当然この時間は営業しておらず、誰もいない双葉SAのフードコートで村上は普通盛りのカツカレー。田口はスタミナ丼。を食べた。これは果たして夜ご飯なのか朝ごはんなのかもう分かりません。
そして、腹ごしらえが終わったあとが今回の山行の本当の核心です。2.5時間の自宅までのドライブ。レッドブルを飲んで気合を入れるが翼は生えてきてくれなかったが、事故をおこすこと無く自宅までのドライブを終えることができた。
さて、結果的には
1日目15時間行動。(朝3:30出発 18:30幕営。ただし、3時間の仮眠あり)
2日目24時間行動。(朝6時出発。翌朝6時帰宅。起きていた時間は27時間)
目標の48時間以内の下山はギリギリセーフ。

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