山岳部では亡くなった先輩方を尊む慰霊祭が、毎年10月に行われている。そして前日には慰霊祭山行として、北アルプスの近辺の山を登ることを習わしとしてる。
2012年はヒマラヤ遠征にむけて、明神5峰を登ることで、多少のバリエーションを経験することが目的だ。
参加メンバー:萩原OB、小山OB、村上監督、古城OB、角田コーチ、小林さん
現役 本田3年、真下1年
↑この写真、、決して昔の記念写真というわけではなく、、2012年のもの。
10/19(金)
山行前日に、まずばらばらに梓ヒュッテ(山岳部が所有する長野の小屋)に集合することになった。授業などあってないようなものの私は、渋滞に巻き込まれる前に早めに離京してOBの方々と小屋に向かった。
社会人のOBの方々と、授業に出る真面目な一年生は午前0時を過ぎた真夜中に到着した。たっぷりの食事とお酒を頂いて、ぐっすりと眠っていた私は、後から合流してくるOBの方々に嬉々として叩き起こされ先輩方の晩酌に付き合わせて頂き、夜が更けて行った。
10/20
上高地バスターミナル(7:30)⇒明神5峰(12:55)⇒明神館(17:00)
朝、目が覚め、食事をとるとすぐに小屋を出て、上高地にむけて車で出発する。
坂巻温泉にある駐車場に車を停め、タクシーに乗り換えて上高地バスターミナルを目指す。朝が早いにもかかわらず、大正池には多くのカメラマンがいる、寒くないのだろうか。
7:30バスターミナル着
10月ともなると、半袖では少し肌寒い。年中、半袖半ズボンの私も恥ずかしながら、長袖を着てしまった。それにしても、角田OBの服装が気になる。1人だけ大正時代の登山家のような格好をしている。アメ横の軍隊専門の古着屋で上下を買いそろえたらしい。こういう人が、ああいう店で買うのかと納得した。
小梨平にベースを張り、河童橋を渡り、岳沢へと続く道を行く。7号標識にある進入禁止のロープを越えて、登山道を抜け道なき道を行き始める。樹林帯の熊笹の中を、道がボロボロの悪路をひたすら登る。五峰の肩のテント場までは永延と急登が続く。
何度か高度感のある鎖場を登り、ぜーぜー言いながら、登っているとついに展望が開けてきた。慰霊祭にはめずらしく、雲ひとつない晴天の青空だ。
尾根を登り切り、開けたところに出る。ここが頂上ではないかと期待していたが、どうやら、遠くに見える峰が五峰だと言うではないか、ちょっとだけ降りたくなった。
今度は、大きな石が転がる本当に道なき道を歩み出した。一歩進むごとに、足場が崩れそうになり、下にいるメンバーに当たるのではないかとひやひやした。実際、一年の真下は石を落とし、見事監督の右足命中させることに成功していた、なにか恨みでもあったのだろうか。
12:55
ついに山頂に出た。五峰の展望は素晴らしく、疲れはどこかに吹っ飛んで行ってしまった。下を見下ろすと、明神館や河童橋が望める。遠くには、奥穂高やジャンダルムも見渡せる。なんとも素晴らしい絶景、山行であった。
しかし、一番怖かったのは、永遠と続く道なき下山なのであった・・・
真下 角田
教訓:1.晴れの明神岳は文句なし
2.記録は小まめに取りましょう(写真を撮った時刻から、時間を割り出した)
(文責:本田)